巻頭言
お客様ならびにビジネスパートナーの皆様
2017年の繊維業界と当グループの活動を振り返ってみたいと存じます。
世界規模で繊維業界は順調に発展し、予想を超えてブームともいえる規模の積極的な設備投資が進んだ地域もあり、イテマの業績も好調に推移しました。
お客様のご支援によって当グループの織機、スペアパーツ、技術サービスの売上は今年も2012年以後連続して2桁の成長を達成する見込みです。これは不断の努力によって当社織機の対応領域を拡大・深化させ、それをお客様に高く評価していただき、市場占有率が伸長した結果です。イテマの織機は主要な三種類の緯入れ方式を取り揃え、産業用のテクニカルテキスタイルからカーテン・タオル・カーペットなどの家庭用品、デニムなどのアパレル素材まで、それぞれの目的に合わせた最適なシステムをお届けすることで世界のお客様の生産活動に貢献しています。
トルコを例に挙げれば、政情不安や経済減速の懸念がありながら、長年に渡って当社製品をご使用いただいているお客様のみならず新規のお客様も含めて積極的な設備投資マインドが継続し、イテマの最新鋭レピアとエアジェット織機は設備投資の第一候補として高い評価を頂いています。
中国においても今年は設備投資が好調で、過去最高に比肩する受注を頂きました。日本を含むアジア太平洋地域からの受注も活発で、工場の生産能力を急遽増強して対処しています。
インドでは特にエアジェット織機の販売が好調で、イテマの最新鋭エアジェット織機を数多くご契約いただいています。インドはイテマのエアジェット織機にとって堅調で益々の成長が見込まれる市場です。
「メイド・イン・イタリー」を標榜するイタリア国内の製織メーカーはヨーロッパの他国のメーカーと同様に、プレミアムでハイエンドなファッションや家庭用織物素材に経営資源を集中することで成果を上げ、徐々にではありますが生産の欧州内回帰が着実に進んでいます。これらのハイレベルで品質基準が厳しい織物の生産では、イタリア、スペイン、ポルトガルの各国でイテマの織機が最多の実績を持ち、欧州のその他の国々へもイテマの織機は急速にその地歩を拡大しています。(今号の「ウィービング エクセレンス ダイアリー のAlbini社紹介ビデオをご覧ください)
また、イランのお客様からも今年は大量の織機をイテマにご発注いただき、今後も引き続いて織機への設備投資が実施される見込みです。
2018年の展望について、市場環境は明るいと私は見ています。特にパキスタンとバングラデッシュではお客様の近くに拠点を設けるための先行投資を行ってきましたので、その成果が表れてくるものと期待しています。イテマがパキスタンのラフォールに最近オープンしたイテマキャンパス(今号の「イテマグループの積極投資」をご覧ください)は第一級の研修と製織テストの設備を備えた重要な拠点です。イテマ製織機の実力を今まで十分にお伝えできていなかった地域もありましたが、このイテマキャンパスをはじめとして今後も引き続いて整備を進める予定の各地の拠点を、イテマの技術の先進性・革新性を世界中により広く、より正確にご理解いただくための重要な要素と位置付けています。広くご理解いただくことの重要性を示す例としてエアジェット織機A9500(詳細はこちら)を挙げれば、知名度が必ずしも高くなかった同機も着実に実績を積み重ねて数々のリピートオーダーを頂いていますが、その能力を十分にご理解いただければさらに多くのお客様に選択していただけると信じています。そして2018年のイテマの主力機種のひとつとしての位置付けが確立すると考えています。
イテマのイノベーションは今後も留まることなく進んでゆきます。次号の Red Dot News でも様々なイノベーションについてお知らせする予定です。
末筆ながら平素のご愛顧とご支援に感謝し、今後ともイテマグループをお引き立ていただきますようお願い申し上げます。
イテマグループ
営業・マーケティング担当役員
クリスチャン・シュトラウプハール