テクノロジー
イテマの エアジェット織機A9500:
「卓越した織機」では言い尽くせないマシンです。
エアジェット方式の緯入れを考えるとき、最初に頭に浮かぶのはその高速生産性です。しかし、エアジェットを熟知した人達が最重要課題と考えるのは、他の緯入れ方式に比べてコンプレッサーが必須の装置であることによる大きな電力消費と製織の多能性に限界がある点です。
イテマは、長年に渡って製織のノウハウを蓄積し織機の先進的なブランドであったソメット、スルザーテキスティール(スルテックス)、バマテックスの三社の卓越した実績を引継いでイタリアの企業として統合したメーカーです。イテマはレピア織機をソメットのブランドで1967年に世界で初めて市場に投入しましたが、エアジェット織機についても1971年にはこの方式で先進的な技術を持つ他社との協業でスルザーが開発しています。
イテマは各ブランドの輝かしい歴史を引き継ぎ、織機の性能をさらに高めるために最大限の力を注入してきました。言うまでも無く、織機の目的は最終のお客様にご満足いただける織物を生産することです。そのことはイテマの最も重要な目標であり、織物品質についての多様で厳しい要求に応え、厳格な品質テストもクリアできる織機をお届けできるよう日々努力を積み重ねています。もちろんエアジェット織機も例外ではなく、伝統的な基本構成に卓越した性能を盛り込むことで高品質で高度な織物を生産できる織機を実現しています。
独創的で革新的な機構によって製織可能な糸の範囲が拡大し、織機としての多能性が飛躍的に高まっています。独創性のひとつの例は、業界でクラス最高と認められている開口形状です。理想的な開口形状によって筬打ちストロークが最適化され、広範な種類の織物を完璧な品質で織り上げます。
また革新性の例は、イテマが特許を保有する BLC ライクラ・ブラシ・クランプ です。ストレッチヤーンで製織する場合に大きな威力を発揮します。BLCノズルによって緯糸は可動部品無しで保持されるため、ハイレベルの織物品質と信頼性が達成されます。独特の設計によって簡潔な構造を実現したBLCはメインノズルの内部に固定され、エアの流れによるストレッチヤーンのダメージを防止します。また、BLCはクランプとバルブの設定や調整を手動で行う必要がないユーザーフレンドリーな機構です。ストレッチデニムや各種のアパレル製品でストレッチヤーンはますます幅広く使用されてきています。その状況下でBLCは卓越した効果を発揮します。
根本的で重要な点である電力消費も考慮すれば、イテマのエアジェット織機は現在の競合機種の中で最も先進的な織機であると言えます。
省電力の主役は特許の I-Reed® です。高い緯入れ効率を確保しながらエア消費を大幅に削減できる I-Reed® はエアジェット織機の規範となる装置です。新形状の筬トンネルとリレーノズルの位置が筬チャンネル内のエアの流れを最適化し、緯入れ効率をさらに高めます。低いエア圧力とシングルホールのリレーノズルも電力消費の削減に大きく貢献し、織機の保守負担も軽減されています。
コスト削減と高度な織物品質はイテマの最新鋭エアジェット織機のキーワードですが、それを実現する装置のひとつがダブル・タンデムノズルです。ダブル・タンデムノズルは低いエア圧力で緯糸搬送力を理想的に配分することで、糸の負荷を軽減して最高レベルの織物品質を達成すると同時に電力消費を削減します。
イテマの A9500 シリーズは2011年の発売以来、高速であると同時に織物品質の高さとコスト削減でもトップを独走するエアジェット織機です。